「触れる」ということ|BSケア講習会に参加して感じたこと
- みあれ@Academy
- 3月29日
- 読了時間: 6分

難関 助産学専攻科に❼年連続で合格者輩出!!
助産師学校受験準備のサポーター、みあれAcademyです😀
今日は先日参加してきたBSケア講習会の感想です。
受験とは直接関係ない記事ですが、乳房ケアに興味のある方は読んでみてください😀
ラストに新しい講座のお知らせも載ってます🌟
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BSケアとは
BSケアとは、2002年に開発された母乳育児支援のための技術で、国内の母乳育児支援団体の中では比較的新しい理論と手技を提唱している団体です。
通常、母乳育児支援のための乳房ケアの養成講座は、受講を助産師のみに限定していたり、年間100万円程度の学費を負担して養成校に1〜2年通学したりするというハードルがあることが多いのですが、BSケアは看護師や保健師さんにも受講の門戸が開かれており、ベーシッククラスならたった1日の受講で理論から実技まで習得できるというところが大きな特徴の一つです。
以前、NICU勤務の知人(看護師さん)が受講してとても良かったという評判を伺っていたので、今回受講することにいたしました。

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「知ってる」だけでは足りない
日本国内には主なもので7つくらいの母乳育児支援の団体があります。
わたしは普段は、IBCLC(国際認定ラクテーション・コンサルタント)という団体の資格取得に向けて勉強をしています。
IBCLCは国際資格なので、ユニバーサルな視点で勉強できること、学科試験のハードルがかなり高いことが特徴です。
その試験範囲に「乳房の解剖」もあるので、ある程度は勉強していたつもりだったのですが…
BSケアの講座ではさらに実践的な知識を問われる場面があり…あらためて思いました。
これは、ただ試験に出るから覚えるのではなくて、誦じて説明できないと現場では使えないものなんだ、と。
普段から当たり前にやっているケアでも、「なぜその方向に触るのか」「なぜその位置を意識するのか」をきちんと説明できること。
それが助産師としての説得力や、支援の根拠につながっていくんだなと、あらためて思いました。
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衝撃的な手技
手技に関しては、ほんとうに「エポックメイキング」でした。
(※BSケアの具体的な技術については守秘義務があるので詳しくは書けません)
「え、そこってそんなふうに触っていいんだ?」と、これまでの常識が覆されるような体験。
自己流でやっていた搾乳の手技も、赤ちゃんの吸いつきを意識していたという意味では方向性は近かったのだけど、体系化された技術として見ると、ここまで洗練されるのか…と、ただただ感心しました。
講師の先生方の態度もとてもすばらしくて、これは学生さんたちにもぜひ見てほしい、そんな気持ちになりました。
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「触れない支援」は、ユニバーサル?
IBCLCは国際資格なので、ユニバーサルな視点でのケアが提唱されています。
そのため、「乳房には触れない」「乳頭刺激で分泌量が増えるというエビデンスはない」「ラッチオン(赤ちゃんの吸いつき)こそ命」という考え方です。
科学的に見れば、とても理にかなっていて、私自身もその考えには納得して学んでいます。
でも、日本の臨床現場では、必ずしもそれがフィットするとは限らない。
日本には「甘え」の文化があるので「人にやってもらう」ってすごく大事なこと。
「甘え」って日本独特の文化で英語に翻訳しづらい感覚で、自分でできることをあえて他人にさせる「甘ったれ」とか「怠惰」とは別のもの。
土居健郎の『甘えの構造』という本を心理学の講義で読んだことがある人も多いんじゃないかな?
それを踏まえると日本のママには、触れずに傾聴とラッチオンの修正を口頭でするだけでは、突き放されたと感じるお母さんも少なくないと思う。
それって、IBCLCのやり方が冷たいとか間違ってるという意味ではなくて、「文化として、そういう感覚があるよね」という話。
だからこそ、「触れる」というケアの意味を、もっと広い視点で考えてみてもいいのかもしれないと思いました。

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数年前の自分への、ささやかな後悔
BSケアの講義を受けながら、ふと思い出したことがあります。
数年前、IBCLCの勉強を一緒にしていた助産師の友人が、初めての出産を経験しました。
でも、どうしてもうまく母乳育児がいかなくて、つらい気持ちを私に話してくれたんです。
彼女は私よりずっと経験も知識もある助産師。
そんな彼女に対して、自分の未熟な知識や技術では役に立たないような気がして、ただただ話を聞くことしかできませんでした。
でも今思えば、何も考えずにそばに行ってあげれば良かった。
私の手技で母乳の分泌がアップしなかったとしても、ただ思いやりを伝えるためにマッサージをしに行ってあげればよかった。
わたしは乳房ケア以外にも、フットマッサージだってできるんだし、そっと手を添えるだけでも、彼女の役に立てたのではないだろうか。
あのとき、「私はあなたのそばにいるよ」という気持ちを、言葉だけじゃなく、手で伝える方法もあったかもしれない。

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言葉にして、語り合うことの力
今回のBSケア講習では、技術の話だけじゃなくて、講師の方々の「自分とBSケアとの出会い」や、「つまずいたけど乗り越えられたこと」などを語る時間がありました。
受講者にも「BSケアって自分にとってどんなケアだった?」と問いかけるワークがあって、みんなで語り合って発表する時間もありました。
こういう場のつくり方、すごく学びになりました。
実は、今年の夏に、私が運営している「みあれAcademy」でも、グループワーク形式の志望理由書講座をトライアルでやってみようと思っています。
みんなで話して、自分の「助産師になりたい気持ち」を言葉にしていくような場にしたいなと。
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母乳育児支援、乳房ケア、そして「触れること」。
何をするか、どう触るか、どう伝えるか。
そのすべてに「正解」はなくて、でもその場その場で、選びとっていけるようになりたいなと思いました。
このブログが、今助産師を目指してがんばっている誰かの心に、そっと残るものであったらうれしいです。
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みあれAcademyプロフィール
2018年から関東の助産学専攻科を中心に受験指導を開始
以降、7年間連続で難関助産学専攻科の合格者を輩出
大手予備校の集団講義では対応の困難な、アセスメント論述式の試験対策を中心に指導を実施
⭐️合格実績校⭐️
東京都立大学助産学専攻科(6名)
昭和医科大学助産学専攻科(6名)
茨城県立医療大学助産学専攻科(2名)
獨協医科大学助産学専攻科(2名)
聖路加国際大学大学院(1名)
その他多数
学校では教えてもらえない「アセスメントのお作法」教えます
「合格で燃え尽きない、入学後も役に立つ知識の習得」がコンセプト
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